前回は、1ハウスの海王星についてお話しました。
今回は、海王星が「上昇星」となる配置について解説します。
上昇星(ライジングスター)とは
アセンダントの前後5度ぐらいにある天体は、上昇星(ライジングスター、またはライジングプラネット)と呼ばれます。
上昇星となる天体は、個人としての成長に大きく関わるといわれています。
上昇星の影響を受ける人は、その天体の特徴に注目すると良いでしょう。
アセンダントは自分と外界をつなぐ「窓」のような役割を果たすので、上昇星はその人の印象にも大きな影響を与えるとされています。
上昇星としての海王星
海王星が上昇星になる人は、共感力が高く、非常に繊細です。
この配置は、特別な能力を授ける一方で、人生の中での挑戦ももたらします。
海王星が上昇星にある人の性格的な特徴や、秘められた潜在能力について詳しく見ていきましょう。
繊細さと共感力
海王星が上昇星にある人は、他者との心の境界線が薄く、相手の雰囲気や感情に強く影響されやすい傾向があります。
そのため、人が多い場所では他者の感情に圧倒されることがあり、パーソナルスペースに入られると対処が難しく感じることもあるでしょう。
また、音や光、匂い、気候の変化にも非常に敏感です。
この感受性の高さは、相手の気持ちを自然と理解できる優れた共感力として表れます。
相手との調和を望むからこそ、自分自身を(相手の)望むイメージに変化させることができます。
それにより、海王星が上昇星にある人は、相手によって全く違った印象を与えます。
海王星がアセンダントに近いほど、この能力は顕著に現れます。
相手は、自分の投影を海王星が上昇星にある人の中に見いだし、深く理解してくれる存在として惹かれることがあります。
しかし、相手が自分に夢中になったり、依存したりして期待が重くなると、どう振る舞うべきか分からなくなり、突然姿を消してしまうこともあるかもしれません。
多くの人に愛と理解をもたらす一方で、人との距離感の上手な取り方は大きな課題となります。
アイデンティティの発見
1ハウスに海王星がある人と同様に、海王星が上昇星にある人はアイデンティティの問題を抱えることが多いです。
他者に合わせすぎることで自分自身を見失いやすく、人間関係において適切な距離感を保つことが難しく感じることがあります。
大切なのは、自分を守ることを常に意識し、悪意のある人に利用されないようにすることです。
人間関係やお金の問題に巻き込まれないためにも、「逃げる」という選択肢を常に持ち続けることが重要です。
海王星が上昇星にある人にとって、この世界は混沌としすぎていて、刺激が強いものです。
それでも、この世界で夢や楽しみを見いだすことで、少しずつ世界との適切な関わり方を育んでいけます。
他者との境界線を少しずつ見極めることで、この世界における自分の役割を見つけることができるでしょう。
スピリチュアルな能力
海王星が上昇星にある人は、スピリチュアルな領域と現実世界をつなぐ架け橋のような存在です。
この特別な能力で、人々をより高い意識へと引き上げる役割を果たします。
現実世界とスピリチュアルな領域を自在に行き来することができ、それにより不思議な能力に目覚めることもあります。
例えば、夢からのインスピレーションを受け取ったり、未来を予想したりすることができます。
また、テレパシーを感じたり、鮮明なビジョンをみたりと、年齢を重ねるごとに、自分の直感に自信を持ち、さまざまな形で能力を活かすことができるようになるでしょう。
他者との境界線を持たないことから、多くの人を助けたいという衝動に駆られ、奉仕と癒やしのために情熱を注ぐことが多いです。
芸術的な才能
海王星が上昇星にある人は、芸術の世界にも溶け込みやすく、創造的な才能を発揮することができます。
この才能を活かして、絵画、音楽、文学などさまざまな表現方法で世界を魅了することができるでしょう。
境界線を持たないことが、芸術的な表現を豊かにし、多くの人に感動と喜びを与えます。
芸術を通して、海王星が上昇星にある人にしか見えない世界を表現できるでしょう。
芸術や創作活動は、アイデンティティを探す役割も担います。
インスピレーションを形にすることで、この世界とのつながりを新たに感じられるでしょう。
海王星が上昇星にある人は、周囲の人々に愛と癒やしをもたらす存在です。
その繊細で感受性が豊かな特性を活かし、多くの人にポジティブな影響を与えます。
自分自身を大切にしながら、人生の中で喜びと楽しみを見つけていきましょう。
おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回は上昇星としての海王星について解説しました。
共感力とスピリチュアルな能力に溢れる星の配置を読み解くヒントになれば嬉しいです。
1ハウス海王星についての解説や、海王星のアスペクトについての解説もぜひ合わせてご覧ください。