インコンジャンクトとは?150度アスペクトの意味と活かし方

  • URLをコピーしました!

アスペクトの中でも、とくに不思議な存在──インコンジャンクト

占星術には、天体同士の関係性を表す「アスペクト」がいくつかあります。

その中でもひときわ不思議で、そして深い意味を持つのが2つの天体が150度で結ばれるインコンジャンクト(クインカンクス)というアスペクトです。

この配置は、スムーズに理解し合える関係ではありません。
むしろ「なんだかかみ合わない」「どうしてもズレてしまう」といった違和感やすれ違いを感じさせるものです。
けれどそのかみ合わなさには、自分だけの「特別な視点」を浮かび上がらせる力が秘められています。

インコンジャンクト(150度)ってどんなアスペクト?

インコンジャンクト(またはクインカンクス)は、
2つの天体がホロスコープ上で150度の角度を取るときにできるアスペクトです。

このアスペクトの特徴は、

  • 星座のエレメント(火・地・風・水)も違う
  • モード(活動・不動・柔軟)も違う
  • 2区分(男性宮・女性宮/陽・陰)も違う

つまり「考え方・感じ方・行動パターン」すべてが異なっているため、お互いに理解しづらい関係になるのです。

例えば、牡羊座(火のエレメント・活動・陽)からみると、
乙女座(地のエレメント・柔軟・陰)とさそり座(水のエレメント・不動・陰)がインコンジャンクトの関係になります。

今すぐ動き出したい牡羊座と、慎重に計画を立てる乙女座。
感情を表に出す牡羊座と、内に秘めるさそり座。

このように、価値観がまったく違う天体同士をつなぐので、
スムーズに進めず、立ち止まっては調整し直すことが多くなります。

なぜこのアスペクトは“難しい”と感じられるのか?

インコンジャンクトが難しく感じられる最大の理由は、
はっきりとした衝突がないのに、なぜかうまくいかないという「曖昧なズレ」が常に存在することにあります。

たとえば──
「なんとなくモヤモヤする」
「気持ちと行動がちぐはぐになる」
「頑張ってもなぜか満たされない」
そんな感覚が続き、原因が見えにくい分、疲れや戸惑いが積もっていきます。

このアスペクトでは、天体同士が協力し合わない組み合わせなので、
2つのエネルギーの統合がとても難しいのです。
その結果、片方の性質ばかりが強く出て、もう片方を無視してしまうという偏りが起こりやすくなります。

しかもこのズレは、スクエア(90度)やオポジション(180度)のように、
ぶつかって気づかせてくれるものでもありません。
インコンジャンクトは、“ぶつからないけど、合わない”──つまり、
摩擦のない違和感として静かに人生に影響し続けるのです。

その分だけ、見過ごされやすく、“なんとなく生きづらい”まま放置されやすいアスペクトでもあります。
このアスペクトを活かすには、まず「違和感に気づくこと」から始まります。

インコンジャンクトの可能性

では、このインコンジャンクトが結びつける天体同士の“ズレ”は、ただの悪いことなのでしょうか?

もちろん、そんなことはありません。
インコンジャンクトには、他のどのアスペクトにもない独自の可能性が秘められているのです。

すべてのアスペクトにギフトがあるように、この配置にもまた、特別な力が宿っています

このアスペクトを活かすには、ふつうなら一緒にしづらいものを、
どうにかバランスを取ろうと試行錯誤する力が必要になります。

従来の考え方では通用しない分、
発想はどんどん柔軟に、自由に、奇抜に――型にはまらない視点やユニークなアイデアが育っていくのです。

このアスペクトの最大の魅力は、「既存の枠を超えて考える力」が養われること。
芸術、言葉、デザイン、心理学、哲学など、深い洞察や創造性が求められるあらゆる分野で、
大きな力を発揮できる可能性があります。

違和感の中から、自分だけの答えを見つけていく。
インコンジャンクトは、「どちらかを選ぶ」のではなく、
両方を抱えながら調和を目指す、クリエイティブで奥深いアスペクトなのです。

インコンジャンクトの使い方

インコンジャンクトは、ただそのままでは使いづらく、矛盾を感じやすいアスペクトです。
でも、それを「どうにかしよう」と向き合う心が、自分らしい知恵や成長につながります。

ホロスコープにインコンジャンクトを見つけたら、それを「あなただけが解けるパズル」だと思ってみてください。
答えはすぐに出なくても、少しずつピースを集めていくことで、自分だけの使い方が見えてくるはずです。

インコンジャンクトの使い方は、以下のステップを参考にしてみてください。

ステップ1:矛盾が表れる場面を見つけてみる

まずは、どんなときに「動きたいのに止まってしまう」「やりたいのに迷う」と感じるかに注目してみましょう。
そこに、インコンジャンクトでつながれた2つのエネルギーの“すれ違い”が隠れていることがあります。

ステップ2:それぞれの声に耳を傾ける

対立しているように見える2つの要素は、どちらも大切なことを守ろうとしています。

たとえば、直感的に動きたい気持ちは「今を逃したくない」という思い。
慎重でいたい気持ちは「丁寧に進みたい」という願いかもしれません。

対立する声にもしっかり意味があるのだと、まずは認めてあげましょう。

ステップ3:両方を少しずつ取り入れてみる

「今日はどちらの気持ちが強い?」「もう一方の声は何と言っている?」
こんなふうに、自分を観察してみましょう。少しずつ両方を活かせるようになっていきます。

そして選んだ行動に「どちらの視点にも意味があった」と感じられること──
それが、インコンジャンクトを上手に使うための鍵となります。

インコンジャンクトの例:牡羊座の火星 × 蠍座の月

インコンジャンクトの使い方は、人によって本当にオリジナルです。
でもその雰囲気をつかむために、ひとつの例を見てみましょう。

🔥火星:牡羊座
・直感に従って、すぐに動き出せる
・感情をストレートに表現しやすい

🌙月:蠍座
・感情を深く受けとめ、簡単には表に出さない
・物ごとの“本質”をじっくり見極めたい

この2つがインコンジャンクトになると――

  • 行動したいのに、なぜかモヤモヤして動けない
  • 動いたあとに、感情が押し寄せて後悔する

そんな“ちぐはぐさ”が、人生のなかでくり返し起こるかもしれません。

どう使えばいい?

まずは──

行動したい自分動けない自分
感情を出したい自分感情を秘めたい自分


すべての自分を「どれもあっていい」と認めることが出発点です。

そこから、少しずつ両方を試していく。
この“試行錯誤”こそが、インコンジャンクトの使い方になっていきます。

💡2つの天体を統合する

そうして真逆の性質が、少しずつ自分のなかで共存できるようになると──
牡羊座の火星と蠍座の月が、第3のかたちで動き始めます。

たとえば:

  • 衝動ではなく、心から湧いてくる「本物の動機」で行動できる
  • 周囲の感情に寄り添える、繊細なリーダーシップを発揮できる
  • 動きながらも、内面の深さとつながっていける

これは、どちらか一方だけではたどりつけなかった、自分だけの新しい可能性。

それこそが、インコンジャンクトの持つ“統合”の力です。

インコンジャンクトの活かし方は人それぞれです。
自分のペースで、少しずつバランスを探しながら、天体の力を引き出していきましょう。

おわりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回は、不思議で奥深い150度のアスペクト「インコンジャンクト」についてご紹介しました。

インコンジャンクトは、アスペクトの中でもとくに繊細で、解釈の難しい配置です。
けれども、自分の中の矛盾に向き合い、新たな調和を生み出していく――
そんな可能性を秘めた、とても特別なアスペクトでもあります。

インコンジャンクトを活かすには時間がかかります。
だからこそ、焦らず、少しずつ天体と天体のエネルギーを受けとめていきましょう。
そのプロセスのなかで、きっとこのアスペクトのギフトがあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。

さらに、このサイトではインコンジャンクトが2本組み合わさってできる
特別な複合アスペクト「ヨッド」についても解説しています。
あわせて読みたい方は、ぜひこちらもご覧ください。

👉 運命を定める!「ヨッド」の意味とその使い方

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次