前回は、1ハウスの土星についてお話しました。
今回は、土星が「上昇星」となる配置について解説します。
上昇星(ライジングスター)とは
アセンダントの前後5度ぐらいにある天体は、上昇星(ライジングスター、またはライジングプラネット)と呼ばれます。
上昇星となる天体は、個人としての成長に大きく関わるといわれています。
上昇星の影響を受ける人は、その天体の特徴に注目すると良いでしょう。
アセンダントは自分と外界をつなぐ”窓”のような役割を果たすので、上昇星はその人の印象にも大きな影響を与えるとされています。
上昇星としての土星
土星が上昇星にある人は、真面目で責任感の強い性格です。
1ハウス土星の解説でも述べた通り、幼少期は土星の影響によって厳しい環境に置かれることがあります。
占星術で土星は「制限」を表しますから、さまざまな場面で自分が制限を受けているように感じることがあるでしょう。
時には、人が自分の邪魔をしているように感じたり、大きな壁にぶつかったり、思うように進めない時期があります。
それでも、これらの試練はすべて成長のためにあるものです。
土星が上昇星にある人は、堅実な成長を遂げています。
思い通りにならない時や、結果として表れない時があっても、内面では華麗な成長をとげていることを忘れないでください。
若いうちは土星の制限によって、気分が落ち込むことがよくあります。
孤独感や不安を抱える人も多いです。
これは特に若い頃に出やすい傾向なので、なるべく人に甘えるのを悪いことだと思わず、よく休息をとり、自分へのご褒美を用意する習慣をつけると良いでしょう。
上昇星としての土星による働きは、サターンリターンを迎えるあたり(20代の終わり頃)から大きく変化します。
その頃から、今までの努力が目に見える形になって表れ始めるでしょう。
自分の力で解決できることが増え、スキルも適応力も伸びていることが実感できるはずです。
「こうすべき」「こういう人になるべき」という気持ちが和らぎ、社会のなかであっても、より自然体な姿でいられるようになるでしょう。
これらの変化は、人間関係にも影響を与えます。
若い頃は内気な性格になりがちですが、内に隠れていた明るく面白い一面がどんどん出てきます。
新たな評価を受けたり、逆に周囲の人の良いところを自分からも再発見したりと、人との関わりが以前よりも楽しくなるでしょう。
土星が上昇星にある人は、「成功」を重んじます。
自分の強みを活かし、社会で能力を最大限に発揮することを望んでいます。
これまでに多くの困難と向き合い、スキルを磨いてきたからこそ、道は大きく広がっています。
その勤勉さや集中力、そして責任感を持ってすれば、必ず望んだ結果を得られるでしょう。
そして、さらに大きな夢を見つけたときには、人との協力が成功の鍵となります。
土星の影響によって、決断力や責任感が高まり、みんなから頼られる存在となります。
明確なビジョンを示すことで、多くの人から協力を得られるでしょう。
また、リーダーとして経験を積むうちに、自分の不得意なところを仲間が助けてくれるのに気づくはずです。
そうすることで、ひとりで抱えていた心配や不安が軽くなり、より楽しみながら夢の実現に向かうことができるでしょう。
おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回は上昇星としての土星について解説しました。
上昇星としての土星を読み解くヒントになれば嬉しいです。